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ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」/一覧 (286)
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2008年12月04日(Thu)
ホワイト・プレゼント5
聖夜に連れられ、夜月の部屋に入る。あの時・・・小中学校の時と余り変わらない様子の部屋にすっかり大人の女になった夜月が座っていた。
「Happy−Birthday。」 俺は彼女に一言言う。そうクリスマスイブが彼女の誕生日である。 人形のような彼女の唇が緩む。感情ではなく、単なる儀礼で。 「ありがとう。」 その一言を言う。それ以上不思議と会話にならない。無邪気に昔話をする・・・そんな関係ではなくなっていた・・・あれからの歳月が・・・ 互いに刑事と犯人の恋人・・・それ以上でもそれ以下にもならない関係しか無かった。 「・・・・あれから、彼奴から連絡は来ているか。」 俺は極めて事務的に問い掛ける。それでも俺には、昔の感情が・・・それでもまだ生々しい傷跡であるかのように、思い出す。 「連絡はないよ。もうあの人は来ないわ。私の誕生日なんか忘れたみたいだから。 去年も、その前のイブも来なかった。ずっと、ずっとあのままなのよ。」 何処か投げやりに、何処か寂しく夜月は答える。淡々と俺に感情を殺して答えているものの、アイツの事を振り切れていない・・・・そんなような気がした。 不意にテレビの上に目をやる。高校最後の頃そこに置いてある写真立てにアイツと夜月の幸せそうなツーショット写真が置いてあった。流石に見ると辛くなるのか、あるいは世間体からだろうか、その写真は伏せてあるけど・・・捨てられないのだろう。 「そっか。わるい事言ったなぁ。 ・・・・もし、アイツが来たり連絡をくれたなら俺に伝えてくれ。」 そう言うと、いたたまれず彼女の部屋から俺は出ていく。 『東京地域は北からの湿った空気で、朝晩冷え込み場所によっては雪が降るでしょう。』 ラジオが誰かに向かってそんな事を呟いている。俺は車の中で椅子を倒しそのくらい天井を見つめ彼女の事を考える。 昔の女にあった余韻をかみしめていると言うよりも、ここに来たのは彼女に会う為ではなく、ここで彼奴を待つ為に他ならないのである。 科学的な根拠を言えと言えばそんな物はない。 ただ、アイツはクリスマスイブの日に・・・彼女の誕生日に絶対ここに来る。 そんな感じがするから、張り込んでいる。 |
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カレンダ
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