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ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」/一覧 (286)
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2008年12月02日(Tue)
ホワイト・プレゼント4
「ごめん下さい。」
俺は、呼び鈴を鳴らす。目が大きく小柄な女の子がこちらを見て微笑む。 「・・・・綾瀬。待っていたよ私に会いに来たの。嬉しいよ。」 彼女は本当の俺が来た意図を知りながら、おどけるようにそんな事を言う。 俺は鼻の頭を掻く。咄嗟に彼女の言葉に反応出来ないで居る。 「・・・・まぁ、兎に角中に入って。お姉ちゃんに会いに来たのでしょう。」 そう言うと部屋の中に案内する。何度かここに来た事がある。 狭い家である。それさえだって正直この二人でどうにかするのが大変であったのである。 床に大きい傷跡がある。昨年のイブもここを通り同じ事を思い出していた。 嫌な記憶だった。 俺と聖夜の姉の夜月とアイツは小学校からの同級生だった。家が近いと言う事で男と女・・・と言う事は考えず俺達は結構遊んだり、話したり、ゲームをしたり・・・今思えば微妙な関係だったけど・・・微妙な関係だからこそバランスが取れて、それなりに楽しかった。 夜月の母親は早くに死に、父親はそのショックから酒に溺れていた。 そして俺達が中学に入る頃には完全にアル中になって、そしてあの出来事が起こった。 『お父さん。止めて。』 『人をお前までも、バカにしやがって。殺してやる。殺してやる。』 突然、俺達が3人遊んでいる部屋に彼女の父親は入ると、酒臭い息を吐きながら夜月の身体に馬乗りになり、殴りかかってきた。 俺は、咄嗟に止めようとしたが彼女の父親の力に振り回され、タンスに身体を打ち付けられ動けなかった。 それを止めたのはアイツだった。アイツは手にしたラジカセでアイツの父親の頭と背中を打ち付け、彼女を救い出した。 父親は幸い死ななかった。中学生の力などそんな物だろう。家庭内の事情と言う事もあり事件にはならなかった。あの後夜月の父親は施設に入れられそこで死んだ。 経済的破綻をしなかったのは、夜月の母親の家がそれなりの資産家であったからである。 (あの事件で、俺は大切な物を失った。) その直後夜月とアイツは恋人の関係になった。俺はあの時救えなかった後ろめたさから、段々と二人から距離を置くようになっていた。
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