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ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」/一覧 (286)
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2008年11月27日(Thu)
ホワイト・プレゼント1
繁華街に、ジングルベルのメロディーが流れる。
彼の目の前を、沢山の人々が通り過ぎる。そこにカップルらしい男女が多いのは今日がクリスマスイブと言う事だからだろうか。 直ぐそばに、そんな華やかな雰囲気があるのに何処か壁があって遠い世界に感じるのは、相手が居ない所為なのか。それとも仕事の所為なのか。 「先輩、買ってきました。差し入れ。」 今時珍しい刈り上げ頭の男が、派手な紙バコに入った物を俺に差し出す。 嫌な予感はしたが、開けてみるとショートケーキが入っている。 「メリークリスマス。」 その男は俺にそんな言葉を掛ける。俺は正直目眩を思える。 「あのなぁ。食い物買って来いって言ったが、普通こんな物買ってこないぞ。」 「いいじゃないですか。クリスマスなんだしっ。」 「まさか手作りじゃないだろうな。俺はホモなんかじゃないぞ。」 「僕だって違いますよ。文句言うなら食わなければいいでしょ。」 そんな事を言っても、こっちはずっと立っていてお腹が減っている。カロリーが高そうだが、生まれてこの方太る事に心配した事はない。正直甘い物は好きなので、構わずそれを食べる。 「・・・・所で先輩。こんな所で麻薬の売人が、シャブ売って居るんですか。そいつだってこんな日は、彼女といい思い出を作って居るんじゃないですか。 僕だって、何を好き好んで先輩とイブを過ごさなくてはいけないんですか。せっかくの彼女のデートの約束断らないといけないなんて・・・全くたまんないよ。」 大げさに、アイツはため息を付く。確かにコイツには大人しめの彼女が居るから。可哀想と言えば可哀想だという気持がない訳ではない。 「まぁ、嘆くな若者。お前もデートの後は彼女と二人で・・・という口だろう。居るんだよ、世の中には薬の力を使わないと事に及べないバカも居るんだよ。 それに文句を言うなら、ボスに言えばいいだろう。」 「柳沢警部補ですか・・・。あの人『困るよ、困るよ』って言って、人の話聞かないからダメですよ。大体先輩がいけないんです。自ら志願してこんなのを引き受けるから。 まぁ、警官だから仕方ないと言えば仕方ないんでしょうが。」 更に文句を言う。確かに俺達の上司は数々の事件を解決した名刑事であるが人の話を聞かない。俺だって好き好んでここに居る訳ではない。あいにくデートの約束はないが、こっちだってやりたい事はたくさんあるのである。
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