真三國志曹操編−23− |
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2008年09月28日(Sun)
真三國志曹操編−23−
そう言って曹騰はすらすらと言葉を紙に書きそれを見せる。
「こんな感じで、皇帝に貴方が渡していただければ良いと思います。」 それを受けて彼から孫程に渡された文を手にして目を通す。良い心が洗われた文章であったが、明らかに曹騰の文章とは違う。 「これは貴方が公式の場所で作られた文章の言葉を許に文章を作った物です。これを貴方が手を加えて、皇帝の文章にしてください。」 そんな事を言われて慌てて孫程は記憶をたどる。そうすると確かに彼が用いた事のある言葉ばかりである。 自分の言葉が、曹騰の手にかかるとこれほど美しく人の心を打つ文になると言う事が驚くとともに同時に (私なんかの言葉さえ、この人は公式の一言一言まで覚えているのか) と思うと、彼の頭脳に驚愕する。 「これは貴方の言葉を私がお借りしただけですから、貴方が作った物として皇帝には奏上して下さい。それから貴方の言葉を私がまとめただけですから、私の許へ相談に参られた事は口外してはなりませぬぞ。」 そう言って釘を刺して曹騰は早々に立ち去るように言い、自分の身の回りを片付け始める。 「そうかでかした」 皇帝は、孫程が渡した文にたいそう喜び「そなたを今後重く用いてやろう」と満悦であった。彼自身は実際作った曹騰に対して皇帝の賞賛が大きいほど申し訳なく思ったのが、ここでその名を出す事は双方に良い事はないと思いとどまる。 やがて宴が始まり孫程の文も皇帝の口から読まれる。 「素晴らしい」と言う賞賛の言葉とともに「これなら曹騰などいらぬ」と言う声さえ閻一派の口から漏れる。 だが皇帝はその文を読みながら……口にしているからこそ、この文の不完全さを直感として感じていた。彼自身皇帝が文才はあるわけではないのであるが (曹騰の言葉であったら、もっと一言一言に隙がなく、完璧であるのに) と思い、同時に孫程でさえ彼にかなう人間にはなり得ないという現実に何ともない寂しさのような物を感じずには居られなかったのである。 宴が終わると、皇帝は剣を手にすると曹騰の部屋を自ら訪れると言い出す。 一瞬(バレたのではないか。)と孫程は気が気ではなかった。が彼に対する態度を見ていると、責める様子は全く見えず(結果的に孫程の言葉が劣っていたために)疑われずに済んだようであり、その事ではないのである。 ただ宮中で会えて君を手にする所を見ると冷静でない事は明らかである。 (切られるのか) と思ったが、だからといって孫程が真実を言ってとどめられるわけでもないから何が出来るわけでもなく、二人に任せる以外何もなかったのである。
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