真三國志関羽編−11−



2008年07月03日(Thu)
真三國志関羽編−11−
 「口ばっかりの政府が一体何が出来るというのだ。
 この世を制するのは圧倒的な力。すべての人をひれ伏せるだけの力こそ必要だ。
 俺様を何人も従わせることなど出来ない。逆に俺の力ならどんな奴でも1対1なら負けるわけがない。ひれ伏せることが出来る。」
 張飛はそう言い切り染めた力を誇示するように大声で叫ぶ。
 張飛の手下達はその声だけでびびりそうだった。
 「同感だ。」
 玄徳はそう言ってうなずく。
 「張飛とやら、貴方が言うとおり口だけの者や、保身や目先の利益をつかむだけで、礼節を説き、こざかしい策を巡らせる者に、人を率いて従わせることなど本当は出来はしない。
 痛みが分からないものに誰が必死になり戦おうとするというのか。」
 でも彼の答えは少し違っていた。
 「でも貴方は一人の力でひれ伏せると言ったが、たった一人では一人を従わせることは出来ても、すべてを統じる事はできない。
 一人ですべてを力づくで従わせようとする事はとても骨が折れることだ。」
 玄徳はそんな面倒がとてもやっかいそうに苦笑いをすると、馬のたてがみをつかみ軽やかにその背中にまたがる。
 「張飛・・・・貴方は馬は得意か。」
 「……」
 「董卓に、公孫讃……
 これからの戦いは、馬の戦いになる。
 一人の武勇ではなく、いかに人を動かすか組織的に動かすせるかが勝負になる。
 そうだよな、関羽殿。」
 突然フラれて関羽は戸惑う。
 「国を豊にとする者は多くても現実として、税から人は逃げていくし、兵力を持つ輩が根こそぎ持って行く。
 また知略も時に必要だが、策だけを要する者は信用されず、小賢しい駆け引きは本当の将や結束の敵軍に対しては現実には決定的にはなりづらいし。」
 「……」
難しくて分からないが、自分の言うことを認められた感じが張飛にはほんの少しだけした。だが、同時に彼の中に「本当は自分の言うことなど人は馬鹿にしている。」という思いがどこかに大きく存在して、玄徳に対しての憤りに近い何かはどんどんふくらんでいく感じがした。
 (よく考えろ翼徳。馬が得意か、と言う問いかけはこの耳でか男は本当は俺様が馬など乗れないと馬鹿にしているのかもしれない。
 いやきっとあんな風に穏やかで高貴ぶっている男の仮面の下は絶対、力で生きている人間を馬鹿にしているに決まっている。)
 現に張飛の力で言うことを聞く手下も、実際裏で聞くと「筋肉馬鹿」と馬鹿にしている輩ばっかりである。そしてそう言うのは頭の良い奴ほど多いような気がする。
 (玄徳という男、廬植とかなんとかいう偉い先生に勉強を教わったような輩だ。俺様の言うことなど、学もない輩と心の中で馬鹿にしているのであろう。)
 (馬鹿にされてたまるか。)
 

 
 

 


   


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カレンダ
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