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2008年06月11日(Wed)
明けない夜
やっと寝息が聞こえると「やれやれ」という
言葉の後で始めてため息をつくことが出来る。 あれだけ騒いだのが嘘のように天使のように微笑んで 寝ていると複雑な気持ちになる。 子供ならそれで許せるような気がするけれど それが自分の母親であることがどうしていいのか 静枝をわからなくさせている。 よく年寄りは段々子供に帰っていくと言うが 子供のように素直になっていくのなら 子供のように言う事を聞いてくれるなら どんなに楽だろう。 子供のように怒れればどれほどいいのだろう。 中身は子供に返っていくのに ・・・・だから、多少のわがままは許してあげないと と、娘はいっちょ前に私を諭すが、 母親は昔呉服屋の娘であっただの 年をとって何も出来なくなっているのに プライドの高さだけは、若い頃そのままであった。 朝から今日もこっちの気が変になりそうな一日だった。 やれ現金が無くなっただの、私が母の悪口を言っているだの そんなことばかり言い、黙って出ていっては よその家にまで迷惑を掛けて謝りに行った。 さらに時間間隔をなくしたらしく、夜遅くなって医者にいきたいだの そんなことばかり言って、最後は喧嘩になってしまう。 脳の病気だから仕方ない そうお医者に言われて分かっているが 起こっても慰めても、無駄と分かっていても しなければ何時までもきりがない徒労 結局今日も2時間ばかりそんなことをやっていた。 ちっとも眠る時間になっても眠れなかった。 「こうしておいても仕方ないから寝ないと」 明日は夫の休みで、こないだ母が迷惑を掛けた医者に 謝りに行かなければならない こういう事情があっても、世間はそう言うことが分かってくれない 何かあれば「自分の母親でしょ」「愛情をかけないからそうなるのよ」 という人がいるし、気の利いた人でさえ「そう長く苦労することでは ないから我慢しなさい」と気安く言うのだ。 「夜が明けなければいいのに。」 例え明日になっても同じ苦しみが続く。そんなことをもう何年も繰り返した。 しかも頑張ってもこういう病気は頑張った分だけ状況が良くなることはない 限りなく100に近いパーセントで段々悪くなっていくのである。 (それに対しても努力が足りないからと周りは言うし。) 若いうちなら耐えられる。でももう何年もそんな状況が続く。 母親の面倒をほぼ毎日見なければならないために、外出もままならないし 旅行なんかも行ったことはない。 子供の面倒を見てから今度は自分の母親の面倒に自分の人生を費やされて・・・・ 母の付けていたテレビから同様の歌が流れると思わず口ずさむ 高校の時合唱をやっていて音楽を続けたかった。 いつかプロではなくても同級生達と合唱をやっていきたいねと 良く集まったとき話していた。 でも家庭がそんな状況ではとてもそんなことをやっている暇も余裕もないし 第一同級生達とも会う機会さえなくなっている。 いつまでそんな暗い闇が続くのだろう。 何のために私は生きているのか、生きていたのか そう言う考え方が一番不味いことが分かっているのに ドラマであればそこから歯車が狂い始めるのに 問いかける自分がいる 「合唱なんかなくたって生きていける。」 だからそんなのなんか甘えだと口に出せば言われることは明らかである。 でもそれが中学生の時の唯一の希望であり光だった。 けしてそんな小さな光なら本当は贅沢な願いではないはずだ ミュージシャンとして仕事をしなくてぷー太郎で行きたいのとは訳が違うから。 それさえも母がいるかぎり許される状況ではなかったし 世間と呼ばれる人達は「生きている限り面倒を見るのは当然」 とさも道徳ぶったヒューマリズムを振りかざし、それを受けなければいけない人達を サディスティックにいたぶって喜ぶだけなのだ。 人は平気で「光が無くてもモグラは生きているから生きられると平然」という物なんだろう。でももしこの地球に夜が来てそれから永遠に夜が続いても生きていけると思っているのだろうか。 それは必ず夜が永遠に続くはずはないから・・・・と思っているから、そういう心の奧には前提があるから、たとえ話にしからならない。と思う。 「永遠に夜が続く事がないように貴方の苦労が永遠に続くことがないから。」 そう言って励ます人がいる。 では、その苦労の終わりは一体何なの? 問いかけても答えは一つしかない。 それを望んでいる自分がいたらきっとその心は闇である。 例えその日が来ても、実の母親に対してそう思わないといけない自分自身の心は あまりにも深い闇につつまれ。後ろめたく輝くことは出来そうもない。 あとどれぐらい続くのだろうか。 年をとり長年の疲れで段々無理が利かなくなっていく。 夫も私と母に気を配り酷く怒りっぽくなったり、うつっぽくなりつつある。 こんな状態でいつまで持つのだろうか。 この夜が終わったところで明るい日が来るとはとても思えない。 いつか例え夜が明けても、私にはきっと闇が開けることがない。 母の心が夜になったように、わたしのこころが闇になったように 光が必ず差し込まないことをしる日が 必ず心には明けない夜がいつか訪れる。 「人生なんてそんな物よ。 望む望まないに関係なく それがその人の運命だから仕方ないでしょ。 受け入れなければ仕方ないでしょ」 と悟りきったように、私に言った人にも 等しく。 |
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カレンダ
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