真三国志−15− |
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2008年05月24日(Sat)
真三国志−15−
依頼をやり遂げて玄徳の評価は上がった。
それでも玄徳はそのことを自慢することなく、張や馬頭にも同じように深々と挨拶をして丁寧な応対をする。 本当に彼は偉ぶるところはなく変わることはなかったのである。 (武をひけらかして、力があるから怯えさせれば何でも手にはいると思っているやつが居る。風を切り武勇を自慢する輩が居る。) (そんな輩は、そんな姿を人々がどんなに疎ましく、迷惑かわかっていない。) (人がどう思っているのかわからずに威張り続けるような輩が、人の気持ちを理解して政など出来るのだろうか。民に対して優しくなんか出来るのだろうか。) (人の心をわからない人間が、人を率いる英雄になれると思うのか。) 張は馬商人として英雄達とも交わりも深く愛想も良かったが、心の中で得張っているそう言う英雄を自負する輩を軽蔑していた。 (何の生産性もなく力で地位や財をため込み喜んでいる輩のなんと醜いことか。) そしてそんな役にも立たない男達に罪のない馬達を売り払う自分自身。戦場に送られた馬は走らされるだけ走らされて、槍を受け、弓をその身に受けて、死んで、野ざらしにされ、腐っていく。 そして勝った物達は英雄を気取り、おごり人々を従わせ、自らの虚飾を彩るために人々に苦役を押しつける。そして新たなる勝利はそんな豚どもを太らせていく。 (そんな彼らを軽蔑する死角が私にあるのだろうか) 張の得た財はそんな犠牲に成り立った物。戦いで得た金は彼の衣服を替え、食べ物を買え、人を従わせる。 (でも、そんな物が本当に私がほしかった物なのか。 本当にそんな物が、自分が生きるために真に必要な物なのか?) そしてそんな犠牲を払って手に入れた栄華がどこまで続くのか。 自分たちの部下や商いの仲間は常に張に取って代わりたいと思っている。 飢えた民や不満の持つ若者達は妬み、自分たちの不幸の原因は張にあるとして行き場のない怒りをぶつけるかもしれない。自分が踏みつけ見下した人たちはそんな奴らに喝采を与えるだろう。 取り入った権力者達も今は仲間でいい顔をしていても、いつ気が変わり権力と武力で蓄えた財を奪うかもしれない。 黄巾党のような輩がここで大きく力を持ったのなら、軍資金の確保と見せしめのために自分たちを殺そうとするかもしれない。 (俺達はまじめに働き、努力によって商いを成功して、身を削り知恵を絞り、寝る間を惜しみ、やっとここまでにしたのに、何が悪いというのだ。 それなのにそんな努力ごと天は飲み込もうとする) もしも玄徳のような人のことを思いやる、部下を慈しむことが出来る若者が、おごらずに謙虚に、一生懸命生きる若者が天下を取るのなら、こんなくだらない世の中も、くだらない薄っぺらい英雄気取りの馬鹿どもが横行する世界よりも遙かにましかもしれない。 そして真に必要でなく無駄に使うお金があるのなら、彼の力にくだらない金を使うことが出来れば、まだましかもしれない。金のために戦場で物のように壊され捨てられた馬達の供養になるかもしれない。 勿論玄徳が・・・・片田舎の用心棒の彼が天下を取れるとは張自身は思っていない。多分玄徳を援助したところで無駄にしかならない筈である。 とはいえ、お金があったところでどうせ余計なことに消えていくお金である。 確信のない物にお金を使うことは商人としての張の美学には反する事だ (それでも、玄徳を支援してみよう。) と思ったのはそんな結果を求める以上に、玄徳のような部下を思いやり、謙虚に精一杯それなりにがんばっている若者を援助することが勝ちがあると思えたし、そんな彼が軍資金の援助という翼を得たときどんな可能性を見せるのか好奇心を持ったのである。 |
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カレンダ
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