新三国志13 |
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2008年05月21日(Wed)
新三国志13
玄徳のそんな檄に、何かを振り切るように男は何も言わない。
それでも玄徳には何も言わない代わりに去り際、馬頭の男につける。 「このまま行けば黄巾党の部隊が居る迂回した方が良い。」 思わず聞き返そうとなるが、それ以上何も言おうとせず足早に去っていく。 それは軍事秘密で口に出すこともはばかれること。それどころか、あの男にとって本当は玄徳にあうことでさえ本当ははばかれるのかもしれない。 (それでも来たのは、あの玄徳の器に惹かれているから) 翌日あの男の言葉に従い道順を変える。 「あんな男の言うことを信じるのか」 と玄徳の手下でさえそんな言葉があがったが、玄徳は彼の言葉を信じた・・・・いや信じようとした。 そしてそんなことはこの一度や二度だけではなかった。 行く先々で黄巾党の者や町の不良達が玄徳を訪ねてきては話をし情報交換をしていく、その事で玄徳は進路を変え何事もなく行程を消化していく。 行程は紆余曲折はあり思いの外かかった。 しかし、時間をかけながらもあれだけ賊が横行し無事にいけるわけがないと思われた困難を極めた行程を玄徳の一団は黄河を一頭の馬も奪われることなく、玄徳の手下の用心棒や、馬商人の使用人達の誰一人をかけることなく、全員が黄河の川を見つめることが出来た。 その時無事であったからこそ、本来なら当然襲いかかるべき悲劇の一つ一つを回避してきたことを思うと・・・・・・その一つ一つがもし一つでもよけれないときがあったときがあったのなら自分たちは海の藻屑のように、巨大な黄巾党に飲み込まれていたのだと振り返ると、ものすごい恐怖が襲いかかってきた。 その行程を今度は引き返さないといけない。 そう思うと同じ道をたどるだけでもものすごい大変なことと改めて思う。 しかしそれだからと言って一行は心配する気持ちはもうほとんどなかった。 行程を進む、あらかじめ声をかけた玄徳の不良仲間やその不良仲間の仲間に声をかける。そこから黄巾党の最新の動きを聞き出す、それを持って行程の最終決定をする。 その繰り返しをすればいいと誰もが自然と思っている。 馬頭は密かに行く先々の町に到着するのが楽しみになっていた。その度に自分たちの町では邪魔に思ったり、怯えたり、暴力的であった者達が、玄徳の前ではそう言う面を見せずに、口は悪かったり粗暴な仕草は見せるもののごく平凡な若者にすぎなかったのである。 そんな彼らに「黄巾党の乱が終わり軍に勤めるのなら、この馬頭様に馬の乗り方を少しでも教わって悪い部分はなおした方が良い。将来戦いも騎馬の戦いや組織的に兵を動かすことが出世の道になる時代が必ずくるから。」と言って「北方の馬商人の技術は都の輩に比べてとても優れており、天下一だ。」と自分を尊敬を持って紹介してくれる。 その事で不良達が彼に尊敬し、それでだけでなく「先生」と慕って、名物の○○団子とか持ってきたりして集まってきた。 自分たちの地元では単なる雇われ者として何ともない存在の彼にとってみれば身に余ることであった。 そんな若者達に馬術を教えるのは時に不器用であったり、時に若いだけあり飲み込みが早い者達が居たりして千差万別であるが、ほとんどの者が馬を乗る事を楽しいと思ってくれることが何より楽しみになって行った。
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