バッタ物



2008年08月25日(Mon)
バッタ物
松本駅から映画館に行く途中
無国籍風の男が広げる露天で
何気なく買ったペンダント
それはハートが半分になったペンダント

それは片思いを表しているようで
私らしかった。
店の男が言うにはそのペンダントを持つと
「両思いになれる相手が見つかるらしい」
と言うありふれた伝説付きのペンダント
・・・・デザインといい、
本当に良くありすぎて笑ってしまう

私の恋もその結末もありふれた物だった。
同じ部活の先輩に恋をして
話せないまま
何気ない友達の話で
先輩に彼女が居ることを知って
告白する前に終わったのだ。

それから
ペンダントを大事に
同じ道を毎日通り過ぎた。
例の伝説のペンダントは何時も売れ残っていた。
なんか周りが好きな人と告白してまとまっていく間で
売れ残る私のようだった。

「アレこのペンダント」
突然後ろから声を掛けられ驚く
それは急だったのもあったけれど
昔好きだった人の声であったから
「あっコレ俺のペンダントの反対側だよな」
そう言うと、彼はペンダントを左のポケットから取り出し
私のペンダントと合わせる。
無邪気に私の気持ちも知らないで子供のように
そんなことをしている彼を見ていることはうれしく
また、ペンダントを合わせようとしている様子が
何かキスをされるようにドキドキする。

「あっ、これだめじゃん」
そう言うと、ちょこっと彼は複雑な顔をしたが
いつもの遠慮のない笑顔に戻って話しかける
「これきっとバッタもんだよ。同じ種類のペンダントだから
普通合うはずなのに、安いから品物の作りが雑で
合わないんだよ。きっと
俺も彼女からプレゼントされて、それはあったんだけど
それが最近どこか分からなくなったみたいだから
合うなら譲って欲しかったけど、こんなンじゃ仕方ないよな」
そう何事もなかったかのように彼は言うと、私の居る部室から
出て行く。

本当に私みたいだ。
バッタ物と言われたペンダントを見て、そう思う。
きっと同じ思いでも、どこか足りなくてどこかはみ出していて

「合わないペンダントなんて、棄てちゃおうかな」
それとも、どこかにこのペンダントと
バッタ物に過ぎないけれど・・・合う物が
この世界にたった一つだけでもあるのだろうか。

私の思いと繋がる物が本当にどこかにあるのだろうか
それとも、そう言う気持ちも棄てた方がイイのだろうか。



   


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カレンダ
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