ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」 - 2008/11/17

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2008年11月17日(Mon)▲ページの先頭へ
真三國志曹操編−56−
 彼が立ち去ったあと皇帝は、苦々しく顔をこわばらせながら、曹騰に声を掛ける。
 「本当にこれで良かったのか。」
 その言葉はあたかも、彼を八つ裂きにしないと気が済まないような怒りをこもった冷たい言葉である。
 「良かったんですよ。彼には正義感があり、何事にも屈せぬ勇気があり、なおかつ有能な人材です。皇帝のために命がけのために私心なく彼なら働いてくれるはず。
 口で正義を言いながら結局人は私心で動く者が多いのです。だからこそそう言う人間は珍しく大切なのです。貴方にとって数少ない信頼できる人の一人にきっとなる筈です。」
 曹騰はそう言って笑いかける。すると実際の一番の被害者がそう言うのであれば皇帝も戦いの矛を収めずには居られないのである。
 「君がそう言うなら私は許すが、この世の中私心で人を追い落とすような人間が多い。今は皇帝の私に口では忠誠を誓ったとしても、元々は私の敵のような輩だ。私を支配するため私の片腕になるような人間を、追い落とそうと考えている。私が自由であるためには、私に真に忠誠させる者達を殺されるわけには行かぬのだ。」
 「だからこそ。彼が必要なのです。」
 思い詰めた様子の皇帝に曹騰は優しく励ますように呟く。

 「ところで、今までのお前の恩に対して恩賞を与えたいのだが何が欲しい。」
 皇帝は突然そんな事を彼に聞く。しかしその言葉は初めてであったが、常日頃見捨てずに自分を支えてくれた彼に対してその恩に応えたいと思っていたのである。
 同時に常日頃、私心なく尽くしてくれる曹騰の中に
 (どんな欲望があるのか)
 と言う事が皇帝には興味があったのである。
 曹騰は即座に願い出る。
 「許されるのなら、養子を迎えたく思います。」
 「養子か。」
 皇帝はその答えに思いを巡らせる。宦官は本来養子を迎える事も家名を残す事は許されない。皇帝に最も近いからこそ、その権力を残す事が出来るようになれば、私心で皇帝をしぎゃくしたりするような事が起こりかねないのである。


   


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カレンダ
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