ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」 - 2008/11/05

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2008年11月05日(Wed)▲ページの先頭へ
真三國志曹操編−50−
 そして順帝は梁冀らに先導され、宮廷に入り名実ともに皇帝となる。
 ただちに孫程ら19人の宦官は列侯に封ぜられた。世話役人である宦官が名士達に混ざり列侯に命じられることは初めてであり、異例の功労といえた。
 それだけの活躍をしたと同時に、それは新たなる帝国の秩序への布石でもあったのであるが、それについてはまだ人々は知る事はなかった……

 そして栄進する者があれば、同時に罪を問われ罰せられる人達も居る。
 閻一族の者達は、孫程らの動きに抵抗らしい抵抗を出来なかったししなかったが多くの者達が「政治を私にした」として罪を問われ殺された。野王君と閻太后は命は救われたが一切公の場所へ姿を出すことは許されず宮廷にひっそりと留め置かれた……実質的に幽閉され自由を奪われたのである。その後まもなく二人は病死する。

 梁商らがその審議を執り行ったのだが、あまり気分の良い物ではなかったらしい。
 「『政治を私にしたと言う』罪は一歩間違えば今度はいつ我が身に降りかかるかと思えてならない。邪魔者を追い払うには好都合であるが、我ら自体私にしていると言われればそれに値するのかもしれないのに。」
 そんなことを疲れた様子で曹騰にふと漏らす。
 「……ですが、閻一族の勢力は侮りがたく彼らを許せば後々皇帝やあなた方に禍根を残すのは必至です。」
 だから仕方ないことだ。と言い切るほど、彼は冷酷であり同時に客観的に物を見れる精神をしていた。だが梁商はそう言う面では優しく甘い面を持ち合わせて、そんな風に思えなかったのだろう。だからこそ、同時に曹騰はまとめ役として彼の力を新政権では必要にしていた。多分皇帝も同様だろう。
 「なんとか説得して『なるべくいかせられる者は活かさねば、逆に窮鼠猫をかむで死罪になるのならと強固に抵抗する者も出てくる』のでと説得して何とか反乱の恐れがない者達を助けようとしたが……」
 「それは皇帝の責ではなく、私が禍根を残さぬようにと強くお勧めしたことです」
 梁商の不満を察知して曹騰は自分の言葉だと告げる。
 だが彼はそれに首を横に振る。
 「最後まで皇帝は執拗に野王君と閻太后を処刑することを望まれた。私や孫程などすべての者が『例え自分の血を分けた母でないとしても、先帝の妻である以上皇帝からしたら母親に当たる以上、それを害しては孝の道に反することであり、人心を失う』と説得したので、命をお助けになられたが……
 本当は我らが言わなくてもそのことを理解した上で、執拗に彼らを殺すことを望まれたように私は思えてならないのだが。」
 そう言いかけたが、それ以上言ったところで仕方ないと思ったのか、あるいは言ったことが後に波紋を残し彼の一族に災禍をもたらしたり、いらぬ疑心を産むようになってはならないと思い、言葉を飲み込む。
 曹騰は何もそれに対して言おうとしなかったが、梁商の思いは察知していた。
 彼が言おうとしたかったのは「父である先帝の安帝と同じ執念を持ち合わせている」と言うこと。


   


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カレンダ
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