ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」 - 2008/11/04

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2008年11月04日(Tue)▲ページの先頭へ
真三國志曹操編−49−
 「助かる」
 そういうとおぼつかない脚で孫程は仲間達の許に向かう。李閏が味方になればそれなりの兵が手に入る。梁商の手勢をあわせれば、閻の一族の軍が多いとはいえすぐに武力で反撃しようとしても、容易に崩すことは出来ないだろう。
 しかも宮廷は宦官達が押さえ、閻氏の有力者や太后は人質になっている状況である。
 (これで勝てる。)
 そう思い、自らのクビがつながった事に安堵して彼は力が抜けたのである。
 「早くしろ。一人も逃がすな」
 李閏はそう言って檄を飛ばして力の抜けた彼を必死に励まし行かせる。
 彼自身は日和見で権力に従うつもりで居た。その勢いが閻氏から済陰王に変わった。そうなった以上、覚悟を決めなければならなくなってしまったのである。

 孫程達が敏速に宮廷内で閻氏を手勢だけで押さえつける。それはあまりにも薄い袋の中に入れた刃のようであったが、時の勢いは一気に加速した。
 様子見の人々や、直接意識や志もなくただ閻一族にしたがった人達も、同じように日和見であった李閏さえも反閻氏に加わった事で、我先にと一気に雪崩を打って孫程達に従ったのである。
 そうなると、大勢は一気に決した。

 その報が入ると曹騰は済陰王に直ちに皇帝である事を宣言するように言う。
 「皇帝の命として閻一族を捕らえなければ正統性はありません。逆に言えば貴方が、皇帝になったといえば、貴方の命令こそが朝礼として人々は付き従うのです。」
 そう言われても済陰王は正式に決められたわけではないので躊躇があったが、梁商も一緒になり強く促し、覚悟を決める。
 その日の内に済陰王は西鐘下で即位する。後に言う順帝の即位である。

 それと同時に梁冀は軍勢を展開し、李閏とともに都を制圧する。
 閻の一族の兵は多かったものの、彼ら一族の有力者が宮廷の会議に参加しそこで人質に取られたため身動きも出来なかった上、済陰王が皇帝になる事を宣言した事で賊軍という扱いになった。それ以上に居たかったのは、閻一族が旗色が悪いと察知しただけで多くの兵が自分達の命の心配をして逃亡して自壊したのである。

 こうして、あれだけ隆盛を極めた閻一族はたった一日で敗北を決したのである。


   


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カレンダ
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