ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」 - 2008/10/19

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2008年10月19日(Sun)▲ページの先頭へ
真三國志曹操編38
閻氏は済陰王と手を結び彼らの栄華をつぶそうとする勢力が出てくる事を恐れている。
 万が一そう言う動きをする物が出てきたら理由を付けてつぶす覚悟を閻氏は持っていたし、現に宦官で一番力を持つ江京が宮廷内でも監視を続けており、曹騰も文も面会も出来ずにいるような有様である。
 そのような状況では誰もが閻氏から不信に思われることを恐れるあまり、亀のように皆屋敷で喪に服しながら、じっとしている他にはなかったのである。
 そんなこんなで皇帝と同じように街も死んだような状態で誰一人身動きもしない状態で数日が経過したのである。

 そんな中、突然曹騰が誰も訪れない済陰王の許へとやってきた。
 彼は皇帝の死を知ってからぼんやりと外ばかりを見ている済陰王に告げる。
 「皇帝の遺体が今日都に入ります。皇帝の息子としてそれを迎えに行かなければなりません。」
 すると済陰王はうつろに曹騰を見つめ返す。
 彼だけはその表情の本当の意味を知りながら、諭すように言い聞かす。
 「貴方は皇帝の息子なのです。だから、何も遠慮すべき事はありません。泣くことも、悲しむことも今は心のままにしていいのですよ。」
 その優しい一言に済陰王の表情は曇り空から豪雨へと変わる。
 「父上っ」
 そう何度も何度も叫びながら、始めて押さえ続けてきた涙があふれる。
 ずっと皇帝との確執の日々からこらえ続けた感情を始めて済陰王は露わにして、時に敬慕し、時に苦しみ、憎しみ続けた自分の父親の死を心のまま悲しむことが出来た瞬間であったのだ。

 「でも、本当に良いのか。このまま宮中に残ればそなたなら例え新しい皇帝になったとしても栄進できたであろう。それなのに、皇太子を廃嫡された私の許に戻るとは。今まで皇帝に大人しく従ってきたのに、そのまま平穏に暮らせば何の心配もない者を、よりによって一番閻氏から敵視され、一番危うい私の許に何を好きこのんで戻ってくるとは。」
 済陰王は身支度を調えながら、曹騰をからかうようにそんなことを呟く。
 それに対して曹騰は何もおかしくないかのようにそれに応える。
 「私は済陰王様の命で皇帝のお世話をするように言われたから宮中にいただけです。その任を全うし終われば、本来の主の許に戻るのは当然でしょう。」


   


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カレンダ
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