ケイタイ小説カフェ「ソルノチェセル」 - 2008/07/22

刹那のミニミニ小説+連載小説のサイト。

2008年07月22日(Tue)▲ページの先頭へ
真三國志関羽編−19−
 (あれほど俺に従ってさえいれば、そのおこぼれに預かり出世を出来ると思って付きまとっていたのに、急に態度を変えやがって。)
 関羽は腹立たしい思いで酔っぱらいを置いて外へ出る。
 暖かい風が吹き込む。何となく不愉快があっぷするがそれでも風に当たることで関羽は少しずつ落ち着きを取り戻す。
 (あの傷ついた獣のように人を威嚇するしか術のない張飛を、どうやってあの玄徳はてな付けたのだ。)
 そんな疑問が沸き、使用人の一人に玄徳の居場所を聞く。
 「玄徳様なら、昨日の草むらで、大規模な演習を行っています。」
 「演習?」
 「程なんとかと言う黄巾党の将軍が暴れ回っていて、それに対して口に出さないが挙兵するという事なんでしょう。」
 (馬鹿な。)
 黄巾党の程の軍勢は3万と言われる軍勢で官軍ですら手が出せない優秀最大の反乱勢力である。玄徳の軍が500だか1000だが分からないが相手は数十倍である。勝てる相手ではない。
 (演習か。)
 訓練を行っているというのなら、それに対しての秘策が見れるかもしれないし、張飛の心を動かしたという玄徳の軍隊の状況を見れるかもしれないのである。
 関羽はその場所に向かうと、訓練を一通り見ることにした。

 その時玄徳の軍はたくさんの馬をその草むらに放した。
 その馬を敵に見立てて、集団で追い込んで行く。
 その都度玄徳は軍を止めると一人の兵士に細かく手綱を持ち方などを教え、また訓練を再開させる。また、軍を止めて今度は徒で槍を持つ男に構え方と細かい動きを指導して、再び軍を動かす。
 (意外と深い考えを持つようなタイプに見えなかったが、細かいことを言う男だ。)
 (かなりやり方はともかく、細かいところについては独創的だな)
 と関羽はその訓練を行う。
 そしてあっという間に玄徳は演習を終わりにして、引き上げを命じ、細かく指示をしていく。不意に関羽の顔を見ると、残りの指示は人に任せると、関羽の所へ真っ先に近づき笑顔を見せる。

 (なぜ見に来ている)とか(昨日戦った張飛と一緒にいたことを問いかけてくる)とか思ったが玄徳はそう言うことを聞かずにニコニコしていた。そして単刀直入に「どうだったか」と関羽に聞く。
 (この男、単に自分の軍隊を見せびらかしたいだけなのか。)
 そんなことを思いながら、でも愛想でも認める言葉は彼の自尊心が許さないらしく辛口に評価する。
 「丁寧に一人一人教えていますし、ずいぶん独創的というか工夫はしていることは分かります。ただ、」
 「ただ。」
 「いかにも素人くさい訓練の仕方だと思います。個々の能力は伸びているかもしれませんが、戦いは集団をどう統率していくか。1人一人の力を結集して、2や3にしていかなければならないのですが、そう言う組織力については上手く指導が行きどどいていないと思います。」
 
 


   


携帯して持ち歩けるほど……
貴方の手に包めるほど、小さな小説のサイト


新着トラックバック/コメント

※このサイトの物語はフィクションです。登場人物・団体など一切似ていても架空の物です。このサイトの著作権は上賀茂 詩織に属します。一部または全部の無断転載等禁止です。

カレンダ
2008年7月
   
22
   

アーカイブ
2008年 (210)
3月 (18)
4月 (31)
5月 (28)
6月 (31)
7月 (32)
8月 (33)
9月 (31)
10月 (6)

アクセスカウンタ
今日:42
昨日:280
累計:32,089