何なんだお前は。



2008年07月30日(Wed)
何なんだお前は。
私・・・・珠美は結婚して主婦になった。
仕事に可能性と未練がないわけではないから、
家庭に入る事に不満がないというわけではないけど、
大好きな人と一緒にいて、
幸せでない事はない。

今朝も旦那様をキスで送り出すと
早速部屋に掃除機を掛けようと
小物を片付け始める。

そうすると、すぐにドアの方から呼び鈴がけたたましく鳴らされた。
「はいはい。」
慌てて、玄関に出て「NHKは見てませんよ。」と言うと、
ドアの外の前に網を持った人達が立っていて、
ドアチェーンを強引に引っ張って開けようとする。
「・・・何しに来たの。」
私が問い掛けると、
彼らは「大丈夫です。国土交通省の許可を取っていますから、
劣悪な家庭から私達が救ってあげますよ。
可愛い貴方がこんな所にいてはイケナイ」
そういうと、しつこく押し入ろうとする。
「貴方は何なの。」
私は問い掛けると、
「私達は珠美ちゃんを想う会です。」
そう言うと、必死に網を押し込もうとする。
「ちょっと辞めてください。」
「貴方には、あんな男が似合わない。
僕達が幸せにするから。大人しくしなさい。
こんな所にいたら死んでしまいますよ。
新しい未来に向かって私達と祈ろうではないですか。」
「なんなのやめてー。」
過激なストーカーか、宗教の勧誘かなんなのか分からないが、
兎に角怖い。慌ててドアを閉めようとする。
その時、彼らの後ろから数名の人間が「想う会」を蹴散らす。
「やめなさい。珠美ちゃん嫌がっているじゃないか。」
「なんなんだ。おめえら。」
想う会の男達が問い掛けると彼らは胸を張り言う。
「私達は、珠美ちゃんを見守る会の者だ。
そう言う横暴な真似は辞めて、私達のように見守るのが本当の愛ではないのか。」
「そうだそうだ。」
後ろからそんな声がして、振り向くと
後ろのマンションから何百人もの男どもが私の部屋をのぞいていたのである。
(しかも売店が出来ていて珠美ちゃん饅頭何か勝手に売っているし)
「何を見守るしかない癖に、このストーカー野郎。
彼女が自分一人で離婚出来ないから、私達は力を貸して居るんだ。
テメエらなんか、アダルトビデオ見て○○○○していればいいんだ。ドアホ」
「何を変態サディスト。たとえ彼女が不幸でも、明子姉ちゃんのように
木の陰から見守るのが日本人の美意識というもんだろう。
そういう堪え忍ぶ愛が分からないお前達の方が野蛮だ・・・」
(いつ私が不幸になったんだよ。おめえら。)
言い争いが始まる。取り敢えず、私はその好きにドアを閉め鍵をして、
カーテンを引く。
兎も角、この横浜を出て彼らの目に届かない所へ行こうと想う。
埼玉あたりなんか良いかもしれない。
 

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カレンダ
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