闇鶴抄



2008年03月20日(Thu)
闇鶴抄
よひょに助けられた鶴は妻になった。

そして、夜その身を削って彼の為に布を織った。

それは街でとても高く売れた。

でもよひょうはそんなお金はいらなかった。

彼は彼女を夜明けまで抱きしめたかった。

愛しかった。

「私が織っている時は決してのぞかないで下さい」

その彼女ののぞみは分かっていても、

彼女の総てが……秘密も欲しくって、約束を破った。

彼女は怒った。

約束を破った事か、それともその姿を負い目に感じたのだろうか。

逃げようとする彼女の体を、ただ愛しく抱きしめる。

「私はこんな体なのよ」

敵意を持って彼女はそう答えるが、

彼は決して放す事が出来ない。



彼女の本当の姿を知って

彼女が決して本当には自分の愛を受け入れない事も、

ここにいる事が義理であると分かっていても……

それで忘れる事が、諦める事が出来るのならばどれほど幸せなのだろう

「君を離したくはない。」

彼女の心さえあれば、もう何も要らない。

その心の美しさに、癒され、心を奪われた彼は

例え鶴であったとしても、彼女だけを望むのでした。

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