エア・スポット



2008年03月16日(Sun)
エア・スポット
エア・スポット


それはよくある風景だった。
私が飛行機に乗っていると突然横の妊婦が苦し始めたのである。
「うっ生まれる。」
「どなたか、お医者さんはいらっしゃいませんか。」
・・・そうこれドラマで見た事がある。
理知的で大人の女性を感じるスチワーデスが、必死に声を掛ける姿は色っぽく医者でなくても名乗りを上げたい所である。

だが、あいにくこの飛行機に医者は居ないらしい。
周りは必死に叫び洒落にならない緊迫した場面になっていた。
その時突然、操縦席のドアが開く。白衣の男が何故か全身を血だらけにして、私達の目の前に現れる。
後ろでは、乗務員らしき人達の死体が見えたがすぐにドアは閉まる。

「貴方は兎に角何者なんですか。」
あるスチワーデスが問い掛ける。すると不審な男は
「私は、パイロットに憧れる通りがかりの医師だ」といいきる。
「医者がどうして操縦席から出てきたんですか。
 それに機長はどうしたんですか。」
 丁寧な言葉であったが、厳しい口調で主任らしきスチワーデスがさらに男に詰問する。

 男はそれに対して
「医師といえばインテリだ、インテリは頭がいい。頭がいい人は常人とは違うことをする物だ。
学生運動や安保闘争など昔から知識階級といわれた物達が過激な活動をする。
過激な活動とは、つまりはテロ活動。テロ活動いえばの皆殺しであり、代表はハイジャックだ。つまり医師は医師としてインテリであるために、機長や副機長などじゃまする者を皆殺しにした上ハイジャックをしなければならないのである。」
と答え不敵な笑みを浮かべると
妊婦の手を握り「大丈夫か」と必死になって声を掛ける。

「一体操縦はどうなって居るんだ。」
横に座っていた弁護士が、その男に怒鳴る。
それに対し医師は睨み返し逆に怒鳴り返す。
「うるさい今それどころではない。治療が先だ。
人一人の命がかかって居るんだ。黙っていろ。」

・・・取り敢えず私もそれどころではない。
スチワーデスから電話番号を到着までに聞いておかないと・・・

The-end


   


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カレンダ
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